子育て世代の悩みでよく聞くのが、子どもの野菜嫌い。
子どもの健康を願って日々、一生懸命に料理をしても食べ残しが多かったり、好きな物しか食べてくれないという事は子育てママでしたらよくある事であり、悩みの種だと思います。
何とか子どもが好きそうな味付けで工夫したり、調理法を変えてみたりと、試行錯誤をしても「食べたくない!!」と首をヨコに振られた悲しい経験は誰にでもありますよね。
1日3食と毎日の献立を考えるだけでもひと苦労なのに、それに加えて子どもに食べてもらえるよう工夫をする事は、日々の生活の中では中々難しいのではないでしょうか?
我が家には3歳になる娘がいますが、やはり食べムラや食い渋りに困った時期がありました。
ママ
農家の娘であっても特別な事は何もなく、普通の3歳児と同じ野菜が苦手な女の子です。
そんな時にどう対応をしているか、野菜嫌いの娘にどう接しているか、有機農家である我が家の「子どもの野菜嫌い」 に対する考えをご紹介します。
まずは子供の味覚を理解してあげる
そもそも食べ物の味は、私たちの舌に存在する味蕾(みらい)という細胞で感じ取ってます。
この味蕾で甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の基本5味をキャッチし、ヒトは「味」を認識しているのですね。
センサーの役目である味蕾(みらい)が多ければ多いほど、味覚を強く感じることになり味に対して敏感になるのです。
そしてこの味蕾(みらい)の数は年齢によって変化します。
上記のグラフを見てもわかるように、乳児期はおよそ1万個と1番多く、成人は約7,500個、高齢者は約3,000~4,000個と、年を重ねるに従って徐々に減少していきます。
つまり、大人よりも子どもの方が味に敏感であり、野菜の味はより不快に感じるのです。
子どもにとって野菜が苦いという反応は大人以上に強く、当然と思って受け入れましょう。
味が苦手なのではなく、本能が拒否している!?
人は口に含んだ食べ物が【甘味、旨味、塩味】=栄養になる成分、【酸味、苦味】=有害な成分と即座に見分けています。
それぞれの味には口にした食べ物がどんな物なのか、脳に伝える役割があります。
5つの基本味とは
- 甘味・・・ごはん、パンなどの炭水化物つまり、エネルギー源の存在を伝える役割
- 塩味・・・塩などに含まれるミネラルの存在を伝える役割
- 酸味・・・腐敗物の存在を伝える役割
- 旨味・・・肉や魚などに含まれるたんぱく質(アミノ酸)の存在を伝える役割
- 苦味・・・毒物の存在を伝える役割
苦味と感じとった野菜は本能的に毒を察知した事になるので、体に取り入れない行動は自然な現象なのです。
・苦味は有害な成分と本能的に感じ取っている。
・野菜を拒否するのは自然な行動だと理解する。
でも嫌がっている所に無理に食べさせようとすると、嫌な経験として記憶されてしまい、食事に対してネガティブな感情を抱くようになります。
子どもに食事は楽しいものと感じてもらうには、日々の食卓での経験である食生活が大切になるのですね。
どんな味や香りがして、その時どんな気持ちだったか。
食事を食べる行為だけでなく、ちょっとした心がけや工夫で笑顔あふれる食卓となり、食べる楽しみに繋がります。
私たちがしていること
私たちが野菜を嫌がる娘にどう向き合っているか?
何も特別な事はなく、いたってシンプルで誰にでもすぐ実践できる事ですので、ぜひご参考にしてみて下さい。
食事の準備を手伝ってもらう
子どもは決定権を与えられると喜んで行動し、任せられる事によって責任感を持つようになります。
そして、子どもは存在を認められて育つと自分が好きになります。
「危ないからダメ!」
「もう少し大きくなってからね! 」
つい、言ってしまいますよね。
これは、子どもが成長するチャンスを親が潰してしまっている瞬間です。
失敗しても、上手に出来なくても良いのです。
- みんなのお箸を配ってもらえる?
- 野菜を洗うの手伝ってもらえるかしら?
- お皿を机まで運んでもらっていいかな?
どんな小さなお手伝いでも良いのです。
大切なのは食事の準備に関わってもうらう事により、受け身の食事ではなく子ども参加型の食事にする事です。
失敗したり、上手く出来なくて散らかしてしまっても、決して怒ってはいけません。
一人でやるのに難しい時は、時間がかかってでも親も一緒に協力してあげましょう。
そして、上手に出来た時はすごい!すごい!と大いに拍手をしてたくさん褒めてあげてください。
子どもは食事の準備が楽しくなり、食に対して大切な気持ちを抱くようになります。
楽しい食事の時間を過ごす
食事のマナーやしつけなどは、子育てをしていく上でとても大切なことです。
でもまずは、家族みんなで楽しい食事時間を作っていく事が何よりも大切だと思います。
笑顔が広がり美味しさを共有する。
そして、ほんのちょっとでも野菜が食べられたら、思いっきり褒めてあげましょう。
食事はとにかく楽しいものだと脳に喜びとして記憶され、その経験は人生を楽しむための貴重でかけがえのない財産となります。
食の大切さや感謝の心を育む
食事が食卓に並ぶまでにはたくさんの人の存在なくては成り立ちません。
また、私たちが口にする肉・魚・野菜などの食べ物は人と等しく尊い命です。
そしてその命は、作物を育む自然豊かな大地、雄大な山々からの豊富な水の恩恵、生命の源である母なる太陽の恵みから育まれてます。
命あるものへの感謝
自然の恵みに感謝
この食物連鎖である「命」の循環が、日常生活の中でも営まれているのですね。
私たちは、心を込めた「いただきます」を唱和し、手を合わせてから食事をはじめます。
感謝の気持ちで美味しくいただいた後は、「ごちそうさまでした」と、手を合わせて食事を終わらせます。
娘が小さい頃は、感謝の意味までは理解できていませんでしたが、子どもは親の鏡であり、親を手本にして育ちます。
親が使う言葉を同じように使い、親がしている行動も子どもは同じように真似をします。
毎日の生活の中での、親の姿こそが、子どもの生きる学びに繋がるのです。
味覚にも学習機能がある
このまま、野菜を食べないで健康に成長してくれるかと不安な気持ちもわかります。
でも食べないからと言って、親の判断で嫌いな物と決めつけないでください。
味覚には学習機能があり、嗜好も年齢と共に変化していくものなのです。
皆さんもこのような経験はありませんか?
- 子どもの頃はピーマンが大嫌いだったけど、いつの間にか克服できていた。
- ウニが大嫌いだったけど、人が美味しそうに食べている姿を見て、食べてみたら意外と美味しく食べられた。
- ナスの食感が苦手で嫌いだったが、ミートソースと一緒に食べてみたら美味しくてそれから大好きになった。
- 生卵ご飯が食べられなかったけど、どうしても食べなければならない状況があり、食べているうちに美味しく感じるようになった。
- 嫌いだったセロリが、採れたて新鮮なセロリを食べたら美味しくて、それから好きになった。
逆に、大好きでパクパク食べていたものが、急に食べたくなくなったりする事もあります。
こうした変化を繰り返しながら、味覚の幅は広がっていくのです。
できるだけ自然の素材を生かした食材を選ぶ
好き嫌いなく何でも食べる子に育ってもらうのが一番ですが、あまり神経質になりすぎないでください。
野菜を食べさせようとする事より、食事の時間を楽しく感謝の気持ちを込めて頂く事を大切にしたいですね。
そして最後に、私たちは自然の素材を生かした食材を選ぶよう心がけています。
野菜は無農薬、お肉や魚も質の良いもの、食品表示をチェックして無添加なものなどなど。
まずは味付けの基盤となる調味料からこだわってみてはいかがでしょうか?
味噌、醤油、酢、塩、など。
選び方のポイントはいたってシンプルで、その調味料は何から出来ているか?を知ることです。
味噌でしたら、麹・塩・大豆ですよね。
本来必要な原料以外のものが入っていたら、何の為に入っているか?を考える習慣をつける事をオススメします。
それにより摂らなくて良いものを避けることができます。
詳しい調味料の選び方は下記の記事をご覧ください。
まとめ
少しでも「これならできそう!」と思えるものはあったでしょうか?
子どもの為にと焦る必要はありませんので、出来そうなことから1つずつチャレンジしてみて下さい。
ちょっとした心持ちで、家族と囲むいつもの食卓がより美味しく楽しく過ごせるようになります。
- 子どもの味覚を理解してあげる。
- 食事の準備を手伝ってもらう。
- 楽しい食事の時間を過ごす。
- 食の大切さや感謝の心を育む。
- 自然の素材を生かした食材を選ぶ。
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